中小企業が取り組むメンタルヘルスの最前線
最新の法改正と中小企業での実践方法
職場のメンタルヘルス対策は、大企業だけでなく中小企業にとっても避けて通れない課題です。特に人員が限られる中小企業では、一人の不調が組織全体に大きく影響するため、管理職が積極的に取り組むことが欠かせません。

2025年5月の労働安全衛生法改正により、これまで努力義務だった従業員50人未満の事業場におけるストレスチェックも義務化されることが決まりました。具体的な施行日はまだ示されていませんが、中小企業にとっては「いずれ必ず義務化される」という流れが確定しています。したがって、今から準備を始めることが重要です。
この記事では、中小企業のメンタルヘルス対策における最新の動向と実践方法について解説します。
最新のメンタルヘルス対策の潮流
- 予防と早期発見の重視
従来の「不調になった社員への対応」から、「予防」と「早期発見」へと重点が移っています。 - ストレスチェックの義務化拡大
ストレスチェックはすでに50人以上の事業場で義務化されていますが、今後は中小企業にも対象が広がります。従業員の声を定期的に把握し、組織的に改善へつなげる仕組みを整えることが求められます。 - 管理職によるラインケア
管理職が日常の中で部下の変化に気づき、適切に声をかけられるかどうかが重要です。厚労省も「ラインケア研修」を推奨しており、管理職教育の一環として導入する企業が増えています。 - 心理的安全性の確保
Googleの研究で、チームの生産性を最も左右する要因として注目された「心理的安全性」。従業員が安心して意見を共有できる環境づくりは、不調予防や生産性向上につながります。小規模な中小企業だからこそ、風通しの良い文化を築きやすいのが強みです。
中小企業での実践方法
- 毎日の「声かけ」習慣
管理職が「最近どう?」と一言声をかけるだけで、部下の安心感は高まります。小さなコミュニケーションの積み重ねが、不調の早期発見につながります。 - ストレスチェックの仕組みづくり
義務化が進むことを見据えて、50人未満の中小企業も今から体制を整えておくことが重要です。外部の専門機関を利用すれば、担当者に負担が偏ることなく運用を始めることができます。 - 研修・ワークショップの導入
短時間でも効果的なワークを取り入れることで、職場の雰囲気を改善できます。承認コミュニケーションや「持ち味を伝え合うワーク」などは、職場にすぐ取り入れやすい手法です。 - 外部専門家との連携
中小企業では産業医を専任で置くのが難しい場合も多いため、社労士や産業カウンセラーなど外部の専門家との連携が有効です。相談体制を作ることで、従業員も安心して働けます。 - 柔軟な働き方の推進
時差出勤やリモートワークなど柔軟な制度を部分的に取り入れることで、従業員の負担が軽減され、メンタル不調予防に直結します。
管理職が持つべき3つの視点
- 早期発見
小さな変化を見逃さない観察力が求められます。 - 傾聴の姿勢
アドバイスよりも、まず「聴く」ことで信頼関係が深まります。 - 仕組みで支える視点
一人で抱え込まず、社内や外部の仕組みを活用して対応することが大切です。
職員が安心して力を発揮できる職場環境へ
中小企業におけるメンタルヘルス対策は、従業員の健康だけでなく、組織の持続的な成長を守るための経営課題です。
- 管理職は日常的な声かけや傾聴で部下の変化を把握する
- ストレスチェックの義務化に備えて、早めに体制を整える
- 外部専門家や研修を取り入れ、組織全体で支える
中小企業の管理職が取り組むメンタルヘルス対策は、法律対応の枠を超えて、職場文化を変革し、従業員が安心して働ける環境を築く取り組みそのものです。
次回は、これらの取り組みを長期的に継続し、さらなるメンタルヘルス向上を目指すための「次なるステップ」について詳しくお伝えします。
→メンタルヘルス向上を目指す職場の次なるステップ
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