管理職が知るべきメンタルヘルスの基本知識
働く人の「こころ」を守る第一歩

働きやすい職場環境をつくるうえで、欠かせないテーマとなった「メンタルヘルス」。特に医療機関では、命を預かる現場ならではの緊張感や対人関係のストレスを抱えることも少なくありません。そんな中、管理職の方が「メンタルヘルスについてどれだけ理解し、適切に関わるか」が、職場全体の風通しや離職率に大きな影響を与えることをご存知でしょうか?
本記事では、管理職が押さえておきたいメンタルヘルスの基本知識と、現場で実践できるポイントを分かりやすく解説します。
そもそもメンタルヘルスとは?
メンタルヘルスとは、単に「病気かどうか」という事ではなくストレスと上手に付き合いながら意欲的に働けるか、安心して人間関係を築けているかといった「心の健康状態」全体を指します。
厚生労働省の調査によると、「仕事や職業生活に強い不安やストレスを感じている」と答える人は年々増加傾向にあります。特に医療機関では、長時間勤務や患者対応のストレスが蓄積し、気づかないうちに心が疲弊しているケースが少なくありません。
職場におけるメンタルヘルス対策の重要性
「自分は管理職だから、業務を回すのが仕事」と考えがちですが、実は管理職がメンタルヘルスに配慮し意識的に関わることで、職場にさまざまな良い変化が生まれます。
- 職員のパフォーマンス向上
安心して働ける環境では、業務効率が高まります。 - チーム内の信頼関係の強化
適切なサポートがあると、職員同士の協力が促進されます。 - 離職や休職の防止
メンタル不調を未然に防ぐことで、人材の流出を防げます。 - 患者対応の質向上
医療機関では、職員の精神的な安定が患者への対応にも影響を与えます。
逆に、職員がメンタル不調に陥ると、突然の休職や退職、人間関係の悪化につながり、組織全体の運営にも大きな影響を及ぼします。
管理職が押さえるべきポイント3つ
では、管理職は具体的にどのような点に気をつけるべきでしょうか? 今日から実践できる3つのポイントを紹介します。
1. まず「気づく」ことがスタート
職員のメンタルヘルス対策でまず必要なのは、「変化に気づくこと」です。
- 「最近、元気がない」
- 「ミスが増えた」
- 「急に無口になった」
こうした小さなサインを見逃さず、日頃から声をかけることが大切です。
とはいえ、深刻に構える必要はありません。日ごろからこまめに声をかけ、笑顔で「大丈夫?」と問いかけるだけでも、職員は「自分のことを気にかけてもらえている」と感じ、安心感を得られます。
大切なのは“話を聴く”姿勢。アドバイスをする前に、まずは耳を傾けましょう。
2. 自分自身の「叱り方」や「関わり方」を振り返る
管理職は指導する立場にあるため、時に部下との関わり方がメンタルヘルスに大きく影響します。
特に医療現場では、緊張感の高い環境ゆえに「つい強く言ってしまう」こともあるでしょう。しかし、強い叱責や否定的な言葉は、部下の自己肯定感を削り、ストレスの要因になります。
ポイント
- 感情的にならず、行動にフォーカスした指導を心がける。
- 「人格を否定しない」ことを意識する。
- 叱った後はフォローの声かけをする。
これらを意識するだけで、部下との信頼関係は大きく変わります。
3. 「相談しやすい」職場環境をつくる
メンタル不調の背景には、「誰にも相談できない」「弱音を吐いてはいけない」という孤立感が隠れています。
管理職ができることは、「ちょっとしたことでも相談しやすい空気」をつくることです。
- 1on1面談を定期的に行う
- 日常的に「最近どう?」と気軽に声をかける
- 上司自身も弱みや失敗談を共有する
これにより、部下は「上司も完璧じゃないんだ」「相談してもいいんだ」と感じ、不安や悩みを抱え込みにくくなります。
まとめ:部下に関心を持つことが大切
メンタルヘルス対策に特別な資格や知識は必要ありません。大切なのは、管理職として「人としての関心」を持ち続けることです。
「部下の力を信じ、成長を支えたい」「安心して働ける環境を作りたい」といった気持ちこそが、メンタルヘルス対策の原点であり、離職防止や職場活性化の一番のカギになります。
- 部下の変化に気づくこと
- 適切な関わり方を意識すること
- 相談しやすい環境を整えること
これらを意識することで、職場全体の雰囲気が改善され、離職防止や業務の効率化にもつながります。
コーディアルだからできる研修
弊社では、メンタルヘルス対策やハラスメント防止に関する研修を提供しています。研修では、現場ですぐに実践できる具体策や、「叱り方」「声かけ」のポイントをワーク形式で楽しく学ぶことができ、良い変化につながったという声をたくさんいただいています。 ぜひ、今一度ご自身の職場の雰囲気やご自身の関わり方を振り返る機会にしていただければ嬉しいです。
「誰かの心に寄り添える管理職」が、医療機関をもっと良い場所に変えていきます。
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