【管理職向け】見逃さない!メンタルヘルス不調のサイン
部下の小さな「兆候」に気づくために

近年、企業や医療機関では「職場のメンタルヘルス対策」がますます重要視され、関連したお悩みを耳にする機会が増えました。特に管理職の方からは、以下のようなお悩みをお聞きします。
- 「最近、部下の様子が何だかおかしい…」
- 「変化に気づいても、どう対応すればいいか迷う…」
メンタルヘルス不調は突然深刻化するわけではなく、小さな“兆候”が積み重なった結果、表面化することがほとんどです。
本記事では、企業や医療機関の現場で見られた「兆候の事例」を5つ紹介し、管理職が取るべき具体的な対応策について解説します。
職場で見逃されがちな5つのメンタルヘルス不調の兆候と実例
① 挨拶が小さくなる(医療機関 Aさんの事例)
ある医療機関での出来事です。普段は明るく元気に「おはようございます!」と挨拶していたAさん。しかし、ある時期から目を合わせず、小さな声で挨拶するようになり、会議でも発言が減っていきました。周囲は「忙しいだけかな」と思っていましたが、1ヶ月後、Aさんは体調不良で休職。
後に、「無理をしていた」と打ち明けられた上司は、「もっと早く声をかければよかった」と振り返っていました。
ポイント
挨拶の変化は心の状態を反映するサインの一つ。小さな違和感を見逃さないことが重要です。
② 急な遅刻や欠勤が増える(介護施設 Bさんの事例)
Bさんはこれまで無遅刻無欠勤でしたが、ある月から「体調不良で遅れます」「家族の都合で休みます」といった連絡が増えました。気になった管理職が面談を行ったところ、家庭内での介護により、心身ともに負担を抱えていたことが判明しました。
その後、シフトの見直しや業務調整を行い、Bさんは安心して仕事を続けられるようになりました。
ポイント
遅刻や欠勤が増えた際には、その背景を探ることが大切。責めるのではなく、サポートを検討しましょう。
③ 表情が硬く、笑顔が減る(医療機関 Cさんの事例)
医療機関勤務のCさんは普段、患者さんやスタッフに明るく接し、親しまれる存在でした。ところが、いつのまにか笑顔が減り、休憩中もスマホを見て黙っていることが増えたのです。周囲も、Cさんがあまり笑わなくなったことに気づき、上司が声をかけると「夜勤続きで眠れず、疲れている」とのこと。
さっそく勤務シフトを調整し、夜勤明けの休息を確保した結果、Cさんの表情に再び笑顔が戻りました。
ポイント
表情の変化はストレスのサイン。業務負担の見直しを行うことでメンタルの不調を改善したり、悪化の防止が期待できます。
④ ミスが増える(IT企業 Dさんの事例)
几帳面で正確な仕事ぶりが評価されていたDさん。しかし、ここ数週間で書類の確認漏れや提出遅れが目立つようになりました。上司が面談で話を聞くと、「最近眠れなくて頭が回らない」とのこと。過度なプレッシャーが不眠を引き起こしていることがわかりました。
ポイント
ミスの増加にはストレスや疲労が影響していることがよくあります。適切な業務調整や相談窓口の活用が有効です。
⑤ 周囲との会話が減る(医療機関 Eさんの事例)
看護師のEさんは休憩時間に同僚とよく話していましたが、最近は必要最低限の会話しかせず、目も合わせなくなりました。管理職が声をかけると、新人指導で思うようにいかず、プレッシャーで悩んでいたことが判明しました。
そこで、指導体制の見直しとサポート強化を行った結果、Eさんは再び会話を楽しめるようになりました。
ポイント
孤立はメンタル不調のサイン。コミュニケーションの変化に注意しましょう。
兆候に気づいたとき、管理職ができる対応
部下の変化に気づいた際、どのように声をかければよいのでしょうか。
NGな声掛け、OKな声掛け
NGな声かけ
- 「最近遅刻が多いけど、何かあったの?」
- 「仕事に集中してないみたいだけど?」
→ 詰問や評価と受け取られる可能性があります。
OKな声かけ
- 「最近忙しそうに見えたけど、体調どう?」
- 「困っていることがあれば、いつでも言ってね」
→ “気にかけている”という姿勢を示すことが重要です。
管理職自身が「気づける余裕」を持つために
部下の変化に早く気づける管理職は、まず、自分自身の心に余裕を持っているケースが多いです。
管理職ができるセルフケア
- 1日5分、「今日良かったこと」を書き出す
- 他の管理職と気軽に相談できる場を持つ
- 外部の相談窓口を活用する
自身のメンタルヘルスを整えることが、職場全体のメンタルヘルス対策につながります。
まとめ:「小さな変化」に気づくことが最大の対策
メンタルヘルス不調は、本人が「限界」と感じるまで表に出ないことが多いものです。だからこそ、管理職が日々の小さな変化に気づき、早めに声をかけることが重要です。
- 挨拶が小さくなる
- 笑顔が減る
- 会話が少なくなる
こうした兆候を「気のせいかな」で済ませず、積極的に声をかけることで、職場全体の安定と離職防止につながります。
弊社では、管理職向けのハラスメント防止研修や、職場のメンタルヘルス対策のための相談窓口設置支援を行っています。まずはお気軽にご相談ください。
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