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2025-08-18

中小企業で多く見られる「逆パワハラ」の兆候と予防策

中小企業で問題視される逆パワハラ

悩む管理職の男性

ハラスメントと聞くと、上司から部下へのパワハラを想像しがちですが、その逆の部下から上司といった「逆パワハラ」もあり、見逃せない問題です。特に中小企業では人間関係も密接なため、部下からの無言の圧力や不適切な言動にさらされるケースが増えています。今回は、管理職が逆パワハラの兆候を見逃さないための視点と、未然に防ぐ予防策についてお伝えします。

逆パワハラとは何かを知る

通常「パワハラ」は「職務上の優位性を利用した不適切な言動」と定義されることが多いですが、「優位性」は必ずしも役職や年齢だけで決まるものではありません。

たとえば、現場でのスキルを一手に握るベテラン社員。あるいは、周囲に強い影響力を持つ若手社員。こうした人材が、「指示を無視する」「報復をほのめかす」「悪い噂を流す」といった行動をとることで、実質的に上司や経営陣を“支配”してしまう状況が生まれます。

中小企業では、社員一人ひとりの距離が近いため、こうした逆パワハラの発生に気づきにくい傾向があります。さらに、「上司だから我慢すべき」という風潮があると、被害に遭っても声を上げづらい状況が生まれます。

逆パワハラの兆候に気づくことが大事

逆パワハラは、突然に発生するわけではありません。最初は小さな違和感から始まります。まずは、その小さな違和感を察知することが、予防の上で重要です。

よく見られる兆候

  1. 指示や注意を受けると、無言になる、ふてくされる
    「報告しても無視される」「話しかけると露骨に嫌な顔をされる」こんな状態が続くと、上司のほうが“機嫌をうかがう”ようになってしまいます。
  2. チーム内に“特定の権力者”がいる
    明文化されたリーダーではないのに、「〇〇さんの機嫌次第で職場の空気が決まる」というケースです。上司がその人を遠慮し始めたら、黄色信号です。
  3. 業務協力を拒否される
    「あの人とはやりたくない」「それは私の仕事ではない」など、指示に従わない・業務を選ぶ行為がエスカレートすると、チーム運営に支障が出てきます。
  4. 上司の陰口、悪口がまん延する
    ”上司の評価を落とすような発言を繰り返す”これも逆パワハラの一種です。「あの上司は信用できない」などの噂が広がることで、権威が失われ、孤立しやすくなります。
  5. 管理職が「注意できない」と感じている
    「言うとパワハラと言われそう」「また面倒なことになりそう」このような気持ちが上司側に出てきたとき、すでに力関係が逆転しているかもしれません。

これらの行為は、受けた側のストレスや業務効率に悪影響を及ぼすだけでなく、組織全体の雰囲気を悪化させる原因にもなります。

具体的な事例

以下は、実際に弊社が外部相談窓口として伺ったケースです。

【事例1】
入社10年目の女性職員が、若手上司の指示を無視し「前の上司はこんな言い方しなかった」と繰り返す。上司が注意しようとすると「それ、パワハラですよね?」と録音アプリを起動。管理職は萎縮し、周囲も何も言えない雰囲気になった。

【事例2】
ベテラン男性職員が「自分のやり方が正しい」と主張し、若い上司の提案を毎回否定。さらに経営者に直接クレームを上げるようになり、最終的に上司が退職。組織の秩序が崩れてしまった。

どちらのケースも、「上司と部下」という関係性の中で、実質的に部下が上司を支配している構図が見て取れます。

逆パワハラの背景にあるもの

部下が逆パワハラに及ぶ背景には、以下のような心理や状況があることが考えられます。

  • コミュニケーションの不足による誤解や不信感
  • 職場の風通しの悪さ、悩みを相談しにくい雰囲気
  • 業務の負担感や不満の蓄積
  • 「上司=悪者」という偏った認識

このような背景がある場合、部下は本来の業務の枠を超えて感情的に行動してしまい、それが結果として逆パワハラにつながることがあります。

逆パワハラを防ぐための予防策

逆パワハラを未然に防ぐためには、以下の3つのポイントが効果的です。

1. 管理職に「指導のスキル」をつける

指導を“感情”でなく“技術”として伝える研修が効果的です。
例えば、「事実に基づいたフィードバックの方法」や「叱る前の声かけ」「感情のコントロール」といった具体的なスキルを学ぶことは、逆パワハラの誤解を防ぎます。

2. 相談しやすい窓口の整備

逆パワハラは、上司が一人で抱え込んでしまうと悪化します。
そのため、「立場にかかわらず相談できる場」が必要です。外部の相談窓口やカウンセラーの活用も視野に入れると安心です。

3. 評価制度の見直し

チーム貢献度など“目に見えない行動”も評価対象にすることで、「成果は出すがチームの空気を乱しがち」な社員の存在に組織全体で目を向けることができます。
そして、成果だけでなく「周囲との協調」「後輩へのサポート」「職場の雰囲気づくり」などの項目も人事評価に組み込むことで、好ましい行動を促すことが可能になります。

4. 管理職の孤立を防ぐ

上司同士の“語り合い”の場を持つことも重要です。「自分だけが悩んでいるわけではない」と感じるだけで、冷静な判断ができるようになります。

大事なのは、「上司 vs 部下」と捉えないこと

逆パワハラという言葉だけが一人歩きすると、「上司 vs 部下」という対立構造になってしまいます。しかし本来は、どちらかを悪とするのではなく、「関係性の歪み」をどう整えるかが大切です。

まずは兆候に早く気づき、冷静に対処できるスキルを身につけましょう。そうすることで、この歪みを改善でき、逆パワハラの予防につながります。

既におきている「逆パワハラ」でお悩みの方は、こちらもご覧ください。

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