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2025-05-12

医療現場のストレスチェックの効果的な活用方法

医療現場におけるストレス管理の重要性

悩む医療従事者

医療現場は、緊張感や精神的負担が日常的に存在する環境です。 医師や看護師、医療事務スタッフなど、さまざまな職種が高度な専門知識を求められる一方で、多くのストレスにさらされています。
そのため、メンタルヘルスの管理は、職場の安全と業務の質を保つうえで欠かせない要素です。
本記事では、医療現場で効果的に活用できるストレスチェックの方法と、その具体的な活用例について解説します。

ストレスチェック制度とは?

ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐために導入されました。2015年12月から従業員50人以上の事業所で年1回の実施が義務化されています。医療現場も例外ではなく、医師や看護師、医療事務スタッフなど多岐にわたる職種が対象となります。

主な目的

  1. 労働者自身のストレスへの気づきを促す
    ストレスチェックの結果を通じて、労働者が自身のストレス状態を認識し、自己管理能力を高めることを促す
  2. 職場環境の改善
    結果を集団的に分析し、職場環境のストレス要因を特定。改善策を講じることで、働きやすい環境を整備
  3. メンタルヘルス不調の早期発見と対応
    高ストレスと判定された労働者に対し、医師による面接指導や、必要に応じて就業上の措置を実施
  4. 一次予防の強化
    ストレスチェックを通じて、不調の早期対応や予防を強化
  5. 働きやすい職場環境の構築
    ストレスチェックの結果を基に、職場環境の改善や働き方の見直しを進め、労働者が心身ともに健康で、働きやすい職場環境を構築

ストレスチェックの効果的な活用方法

集団分析と小集団活動の活用

医療現場でストレスチェックの結果は個人情報として守られているため、病院側は個別の結果を直接見ることはできません。そこで重要になるのが「集団分析」です。集団分析では、部署ごとのストレス傾向や業務負荷の分布を把握することが可能です。
飲み物やちょっとしたお菓子を用意し、リラックスした雰囲気で行うことが効果的と言われています。集団分析で明らかになった課題について、更に小集団活動を通じて具体的な改善策を話し合います。

集団分析と小集団活動とは
ストレスチェックの集団分析結果をもとに、部署やチームごとのストレス要因や改善ポイントを話し合い、小規模なグループで解決策を模索・実践する取り組みです。

1. 集団分析を基にした職場改善

集団分析で明らかになった課題について、職場全体で改善策を講じることが効果的です。

具体例

  • 各部署のストレス要因を共有
  • 小集団活動を通じて改善策を話し合う
  • 「どうすればもっと良くなるか」に焦点を当てた議論

ポイント

話し合いは前向きな雰囲気で行い、必要に応じてファシリテーターを活用するとスムーズです。
※ファシリテーター:会議やグループワークなどを円滑に進めるため、中立的な立場から参加者の発言を促し、議論をまとめるサポートする役割を担う人のこと

2. ハラスメントリスクへの対応

集団分析の結果、上司や同僚の支援指標が低い場合、ハラスメントのリスクが懸念されます。以下のような対応策が有効です。

対応策例

  • ハラスメント防止研修を実施
  • トップからのメッセージ発信
  • 職場内でのポスター掲示

参考資料

厚生労働省の「明るい職場応援団」では、ハラスメント防止の資料が無料でダウンロード可能です。
→ハラスメント対策の総合情報サイト「明るい職場応援団」

3. 仕事量とコントロール度の見直し

集団分析の指標の中で「仕事の量」や「コントロール度」が全国平均と比べて低い場合、業務過多や過度なストレスの原因となっていることがあります。この場合、具体的な改善策として、以下が挙げられます。

業務改善案

  • シフトや業務分担の見直し
  • 個別面談の実施
  • 職場での相談体制の強化

まとめ:医療現場でストレスを減らすために

医療現場でのストレスチェックは、単なるチェックに終わらせるのではなく、結果をもとに早期対応や環境改善につなげることが重要です。特に、集団分析を活用した小集団活動は、現場の声を直接反映し、実効性を高める手法として効果的です。
職場全体でメンタルヘルスを意識し、安心して働ける環境づくりを目指しましょう。

コーディアルでは、医療現場向けのメンタルヘルス研修やハラスメント防止対策の支援を行っています。ストレスチェックの結果を活用した改善提案や、具体的な研修プログラムの提供を通じて、職場環境の向上をサポートいたします。
「ストレスチェックを効果的に活用したい」「現場の声を反映した対策を講じたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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